Tuesday, January 12, 2010

CINEMA 16:EUROPEAN SHORT FILMS


日本の友人から薦められた『CINEMA 16:EUROPEAN SHORT FILMS』を観ました。
私の好きそうな作品が揃っている16編のオムニバス映画との事で薦められたのですが、、、
友人の薦めてくれた映画は2本しか収録されていませんでした。

検索してみたら、日本版とアメリカ版のDVDに収録されている作品は違うという事を発見。

友人の薦めてくれたゴダールもスティーヴン・ダルドリーの作品も入っていない、、、

ブニュエルとダリの『アンダルシアの犬』も入っていない、、、



でも、友人お勧めの以下の2本は入っていました。

Juan Solanas監督『L'Homme Sans Tete』 (The Man Without A Head)
タイトル通り、頭の無い男性が恋している女性とのデートの為に頭を買いに行って、、、というお話。

とてもエレガントでロマンティック。

この頭の無い男性がとても純粋で可愛らしいし、
立ち居振る舞いが上品。
ダンスシーンは夢の様に美しいです。
作品全体の色調もうっとりする程美しく、自然と顔がほころんでしまう作品。
この作品、2003年のカンヌ映画祭のジュエリー賞やフランスのセザール賞等、数多くを受賞したそうですが、納得。

Jan Svankmajer監督『Jabberwocky
この監督の世界感ずっしりな感じの作品で、とても好きです。


以下の2本はアメリカ版に収録されていて、気に入った作品。

Run Wrake監督『Rabbit
とてもシュールで、奇妙な内容のアニメ。
1950年代の子供の教育用のステッカーを使っているそうで、ぎこちない動きをするし、本当に変な話なのですが、妙に引かれてしまいます。


Virgil Widrich監督『Copy Shop

不思議な話。
とても引き込まれました。


『L'Homme Sans Tete』(The Man Without A Head)でとーっても暖かい気持ちになった後、、、、
次に観た作品Andrea Arnold監督『WASP』には、とても寒々とした気持ちにさせられました。

シングルマザーの子供への虐待の話です。
お母さんはそれなりに4人の子供を愛しているのですが、生活能力ゼロ、親としての自覚もゼロ。
ドキュメンタリー映画の様な感じもして、子供の俳優達の演技とは思えないリアルな感じ、お母さんを演じている女優さんもリアルな感じで、映画を観ている間ずっと映画だという事を忘れさせられてしまいました。
内容が内容なだけに好きな映画ではないけれど、強い衝撃を受けました。

16編それぞれ別の監督が作っているので、中には???と思う作品、印象に残らない作品も有りました。

でも、『L'Homme Sans Tete』が本当に素敵で、これを薦めてくれた友人にはとっても感謝。

この監督の他の作品を観てみたいです。