Showing posts with label Book. Show all posts
Showing posts with label Book. Show all posts

Tuesday, September 11, 2012

FIREBOAT by Maira Kalman



今日は、アメリカ同時多発テロが発生した9/11/2001から11年目を迎えました。
グランドゼロ や全米各地で追悼式が行われています。

私の大好きな作家 Maira Kalmanの描いた『FIREBOAT』は、911についてのお話です。
ツインタワーの突入、崩壊も描かれていて、不快に思われてしまう方もいるかもしれないので全ての方にお勧めという訳ではないのですが、本当に素晴らしい本です。

1935年生まれのJhon J.Harveyという、当時一番大きかった消防艇について、アメリカの歴史と共に語られています。
NYを守り続けたHarveyは、老朽の為1995年に役目を終えますが、 2001年の同時多発テロで再びNYを守る為に立ち上がる、というお話。

当時市長だったジュリアーニ市長の言葉「We will all work together. We will not be broke.」のページは、読む度に涙が込み上げます。

今はHarveyは消防艇としての仕事はしていませんが、祝日にはハドソン川を水を飛ばしながら颯爽と走っています。
スケジュールは以下のHPに掲載されていて、寄付も出来ます。
http://www.fireboat.org

私の子供は5歳ですが、この本が大好きです。
ツインタワーに飛行機2機が突入するページでは 、いつも「こんな事しちゃ駄目だよ。」と言います。
大人にも子供にも、大切な気持ちを伝える絵本だと思います。

以前、子供のお友達のお誕生日に、この本をプレゼントさせて貰いました。
将来の夢は消防艇で働く事だと、先日教えてくれました。

私はMaira Kalmanの作品は、全作品大好きです。

Thursday, January 28, 2010

J・D・サリンジャー


今朝,ニュースでサリンジャーが亡くなった事を知りました。

長く作品を発表していなかったのは知っていましたが、40年以上というのには驚きました。

晩年、社会から孤立した生活を自ら選び、執筆は自分自身の為だけに続け、それらの作品を出版する意思は全くなかったそうです。
正直、それらの作品を読んでみたいという強い気持ちは有りますが、サリンジャーがその様に望んでいる以上、尊重すべき事ですね。

昨年、70年代につき合っていたガールフレンドに宛てた手紙数通が、サザビーズのオークションにて高額で落札されたとニュースで聞きました。
人一倍、静かな暮らしを望んでいたサリンジャー、この様な事で騒がれてしまうのは可哀想。
その女性は子供の学費の為に手紙を競売にかけたそうですが、どの様な理由であれ、気持ちを込めて送ってくれたラブレターを競売にかけるなんて、、、

グラース家の人達、ホールデン、作品に度々登場する人物は何度も読み返しているせいか、私には身近な人達の様に感じています。
ホールデンはサリンジャーの分身だったとも言われているせいか、サリンジャーも知っている人の様に感じています。
本当に素晴らしい作品を残してくれた事を感謝しています。


Thursday, January 7, 2010

TIM BURTON


MOMAで現在開催されているTIM BURTON展
自由な発想、そして私の大好きな初期の頃の作品がメインなのと、今迄見た事のない若い時のスケッチ等も展示されていて、とにかく楽しい!
この展覧会は4月迄公開されているので、あと数回は行きたいと思っています。

写真は今回の展覧会の中で一番好きな絵。
タイトルは『Romeo and Juliet』。

インク、マーカー、色鉛筆で
繊細なタッチで描かれていて、色合いが淡くてとってもロマンティック。
このポストカードは仕事机の前に飾っています。

Romeoの足の縞々なのも好き。

ティム・バートンの作品の、渦巻きと縞々がたまらなく好きです。

この展覧会に行った後に友人のクリスマスパーティーに寄ったのですが、友人宅ではたまたま初期のアニメ作品『Vincent』を上映していて、
ティム・バートンづくしのとても楽しい一日でした。

数年前に『Corpse Bride』が公開された際にも、映画館に隣接された会場でCorpse Bride展が開催されました。

細部にまでこだわった人形や、膨大な量のスケッチが公開されました。
うちの旦那さんと一緒に何時間も見入ってしまったのを覚えています。

同時期にティム・バートンのサイン会があって、絵本『The Melancholy Death of Oyster Boy & Oyster Stories』とDVDにサインをして頂きました。

これは私の宝物。

先日、うちの子に『The Nightmare before Christmas』をみせてみました。
怖がるようならば中断しようと思っていたのですが、最後迄とても楽しそうに鑑賞。
その後Nightmareの本も見せてみたら、これも指を指しながら楽しそうに見入っていました。
私の趣味を押し付ける様な事だけはしたくないと日々思っていますが、気に入って貰えたのはとても嬉しいです。

Saturday, January 2, 2010

コッポラ監督のワイン


年末に、うちの旦那さんがコッポラ監督のワインを買ってきてくれました。
フルーティーなのに甘くなく、良い具合に渋みのある、本当に美味しいワイン。

美しいクランベリー色のワインに、昨夜2人で見とれながら飲みました。

コッポラ監督は,映画事業では興行的に失敗した作品が多く、3度も破産をしたそうです。

でも、このワインビジネスではアメリカ屈指の富豪に君臨!
Niebaum-Coppola Winery では沢山の種類のワインが販売されていますが、娘ソフィア・コッポラの名前のワインも有ります。

私は『ゴッドファーザー』『ゴッドファーザー2』はテレビで放送される度に、何度観たか分からない程観ている大ファン。
あまりにも何度も観るので、ついに一昨年前にうちの旦那さんがクリスマスに『ゴッドファーザー』3部作のDVDをプレゼントしてくれました。

4枚組のDVDで、そのうち一枚は監督のインタビューや撮影エピソード等、かなり盛り沢山な内容で、『ゴッドファーザー』熱に増々拍車がかかってしまいました。
コッポラ監督が人としても大好きになりました。

ミーティング風景も入っていますが、常に美味しそうなものを食べながら話をしていて、とても可愛らしい人です。

膨大な量の資料も監督が説明してくれていますが、作品への並々ならぬ愛情を感じるものばかりだし、自らの家族への愛情にもあふれる、人間としての深みを感じる人です。


『ゴッドファーザー』のラストのバプティズムのシーンの赤ちゃんはソフィア・コッポラで、記念に娘で撮影をしたそうです。
可愛くて可愛くてたまらないというのが伝わってくるエピソード。

作品の中で、食にこだわるイタリア人の気質満載なのも好きな理由のひとつ。

大ボスであるヴィト・コルレオーネが、小さなマーケットに立ち寄って食材を自ら選んでいるシーン。

ヴィトの右腕のクレメンザが、大事な話し合いの席でもミートボールソースを料理していて、ボスの息子マイケルに秘訣を伝授するシーン。

この人は丸々太っていて、レストランでの食事シーンも実に美味しそうに食べてます。
若く貧しかった頃のヴィトが、奥さんへ梨をひとつプレゼントするシーンは本当に愛にあふれ、みる度顔がほころんでしまいます。

原作者であるマリオ・プーゾがコッポラ監督と共に脚本も制作していますが、
本も何度読んでも面白いです。

Tuesday, November 10, 2009

大好きなモンスター『WHERE THE WILD THINGS ARE』



可愛くて、とっても大好きな絵本『WHERE THE WILD THINGS ARE』
50年近く前にモーリス・センダックによって描かれた絵本。
今でも世界中の人々から愛されている絵本。
本を開く度、この繊細なタッチの絵に癒されます。

今、スパイク・ジョーンズ監督(Spike Jonze)によって製作された実写版の映画が公開されています。
私の苦手な全編CGの作品なのかと思ったら、モンスターは全て着ぐるみで、CGは顔の表情等の一部のみに使われただけだそうです。
この監督、私の好きな作品『マルコヴィッチの穴』(Being John Malkovich)『アダプテーション』(Adaptation.)を手がけた人なので、『WHERE THE WILD THINGS ARE』もがっかりさせられる事は無いかも、と期待しています。

UGGでは『WHERE THE WILD THINGS ARE』の公開を記念して、子供用の限定品のブーツを販売しています。
Max's CrownPeeping Eyesの2種類の柄が有りますが、どちらも可愛い!
これ、なぜ大人用が無いんでしょう?
大人用を欲しいと思っているのは、私だけではないはず。

あまりにも可愛いのでうちの子にも欲しいとは思いますが、3ヶ月程でサイズの変わってしまう成長期の子供用としては、ちとお高い買い物なのですよね、、、

Wednesday, November 4, 2009

鉛毒


以前、瀬戸内寂聴さんの短編『いろ』を読みました。

主人公のいろ(恋人)の青年が歌舞伎役者となり名題に昇進するのですが、夢半ばに鉛毒にかかって倒れてしまいます。
なぜ鉛毒にかかったのかは説明されていませんが、もしかして白粉かな?と思って、ネットで調べてみました。
やはり白粉のようです。
昔の歌舞伎役者は白粉が原因で鉛毒にかかってしまい、半身不随等の重い病になってしまう場合も多数あった様です。

ローマ帝国が滅びたのは、鉛毒が原因だったと聞いた事があります。
鉛の配管、陶磁器の鉛の上薬、鉛製のコップなどが原因で、脳障害が多発したそうです。

ベートーヴェンが晩年耳が聞こえなくなったのは、愛飲していたワインに鉛が入っていたのが原因だったのではないかとも言われているそうです。

アメリカは訴訟が多いので弁護士のCMが頻繁に流れていますが、鉛毒の訴訟のCMは多いです。
NYには古い建物が多く、古い鉛の入ったペイントが剥がれ、子供が口に入れてしまい訴訟問題になる事が多いからです。

現在は先進国では規制が厳しいので、鉛の含まれた製品は少なくなったそうですが、安物の輸入玩具類には今でも鉛の入った物は沢山有るそうです。
これらを子供が口にするのは、考えるだけでも恐ろしく、身の回りのものは何にでも神経質になってしまいます。

Friday, October 9, 2009

McNALLY JACKSON


SOHOに行くと、必ず立ち寄りたくなる本屋さん、
McNALLY JACKSON
セレクションが他の本屋さんと違うので、この本屋さんにわざわざ足を運ぶ価値があります。

じんまりしたお店ですが、とっても面白い本ばかり。
地下にはセールの本がぎっしり。
ホームページではお勧めの本を紹介しているので、気になった本をチェックしたりもして、立ち寄る度に、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

疲れたら,本屋さんの中にあるカフェで一息つけます。
場所も最高で、好きなお店の建ち並ぶ地区なので、本当にわざわざ足を運びたくなります。

カードやエコバック等の小物も可愛いものばかり。
NYに遊びに来た友達をこの店に案内したら、エコバックを大量買いしてました。

Sunday, August 2, 2009

風呂で読むシリーズ

Photo from www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya.html

先日の
松岡正剛さんの千夜千冊で紹介されていた「風呂で読むシリーズ」の本。
このシリーズは、表紙もページも全て合成樹脂で出来ていて、水に濡れても大丈夫なんだそうです。
夢の様な本だと思いました。

私はサウナに入るのが大好きで、サウナではIPodは使えないし、無茶だと分かりつつも本を読みたくなり、何冊べこべこにしてしまった事か、、、
最近は反省して、新聞や雑誌等の、捨てても良いものを読む様にしてますが、やはりゆっくり本を読みたいです。

こういう気の利いたものは、やはり日本ならではだと思います。
アメリカの普通の本、小説や実用書は特に、何とも味気ないものが多いです。
わら半紙の様な紙も多く、表紙もぺらぺらだったりします。
わら半紙でも何でも内容が面白ければ良いという考え方なんでしょうか。
日本の本に比べて値段は格安ですが、、、

編み物の本も文字だけというのも珍しくないです。
写真が有っても、ちょこっと小さく載っているだけのものも多いです。

反して、写真集は素敵なものが沢山有ります。
児童書も可愛いものが多く、内容も素敵なので、子供の為というよりも自分用に買いたくなってしまいます。

要するに、小説や実用書は使い捨て感覚なのでしょうか、、、


Thursday, July 9, 2009

松岡正剛さんの「千夜千冊」

松岡正剛さんの「千夜千冊」
アップされるのが待ち遠しくてたまらないです。
松岡正剛さんによって選ばれた本が紹介されています。
NYでは入手出来る本は限られてしまいますが、読んでみたくなる本ばかり。

松岡正剛さんは一度テレビで拝見した事がありますが、本当に素敵な方で、お話に引き込まれてしまいました。

本て不思議で、同じ本を何度読んでも毎回違う感覚を受けます。
映画も同じです。
だから気に入った作品は、何度も繰り返し体験したくなります。
好きな作品は、飽きるどころか更に好きになります。

Sunday, May 31, 2009

SOCK MONKEY


ソックモンキーとの出会いは、15年程前、NYに来て間もない頃。
Urban Outfittersで見かけ、その何とも言えない手触り、暖かみのある表情に一目惚れしてしまいました。
このお店、大半はアパレルですが、中々ファンキーな玩具や本も沢山扱っていて、面白いお店です。


一緒に買い物をしていた友人が、アメリカで有名なモンキーである事を教えてくれました。

100年程前に、お金が無くて孫にクリスマスプレゼントを買ってあげれないおばあちゃんが、労働者用の靴下を使ってぬいぐるみを作ったのが始まりと言われているそうです。


3年程前に突然思い出してネットで検索してみたら、Rockford Red Heel Sockという靴下だと分かりました。
色々な所で買えますが、私は
こちらでSとXLを購入しました。
作り方はこちらで、モダンパターンとヴィンテージパターンの2種類あり、ミシンを使えば、2時間もあれば簡単に出来上がります。
一組の靴下のほとんどを無駄無く使い切って作るというのも、何とも愛らしく感じます。


友人に赤ちゃんが産まれるとソックモンキーをプレゼントしています。
中綿を洗濯出来るタイプのものにしているのでママにも喜んで貰えるし、
手触りが柔らかいせいか赤ちゃんも気に入ってくれます。
中綿は、ちょっと少な過ぎるかな〜と思う位で丁度良いです

目はボタンでも何でも良いのですが、赤ちゃん用には刺繍の方が安全だと思います。


うちの子はソックモンキーと一緒で無いと眠れない程大好きなので、どんどん増えて、今や犬猫も含め合計6体になりました。

頻繁に洗濯をしているので、これでも足りない程です。


数年前、アッパーイーストサイドを歩いていたら、通りの向こうにあるお店の中に巨大なソックモンキーの写真を発見しました。

何の店かと思って覗いてみると、メキシコ料理店でした。

BLOCK HEADSというお店で、壁いっぱいソックモンキーの塗り絵で埋め尽くされていました。
お腹が減っていたので入ってみたのですが、お勧めです。

ウエイトレスさんに頼むと、塗り絵の紙と色鉛筆を持ってきてくれ、出来上がった塗り絵を壁に貼ってくれます。

一口に塗り絵と言っても奥が深く、一枚一枚かなり個性的で、食べながら展示されている作品の数々を眺めたのですが、これが本当に飽きません。

楽しい空間での食事は、一層美味しく感じられます。

ソックモンキーは本も沢山出版されていますが、お勧めは
Sock Monkeys: 200 out of 1,863」。
Ron Warrenさんのソックモンキーのコレクションを、写真家のArne Svensonさんが撮影したソックモンキーのポートレート写真集です。
モノクロの写真から、問いかけてくる様な、感情があるかの様な表情の数々、見飽きる事は無いです。

私も自作のモンキーを写真集の様に撮影して、モノクロに加工して真似してみました。(笑)
どうです? 何か問いかけてきましたか?


Tuesday, May 19, 2009

「猫と庄造と二人のおんな」と「A Cat, a Man, and Two Women」


「猫と庄造と二人のおんな」は谷崎潤一郎の作品の中でも、好きな作品のひとつです。
谷崎潤一郎の作品には、度々魅力的な女性が登場しますが、この作品では猫のリリーがその役です。
猫好きとしても有名な谷崎潤一郎が、その猫の愛らしさを見事に描いて、猫好きな方は勿論ですが、そうでない方も楽しめる作品だと思います

庄造は何よりも猫のリリーを愛している。
二人のおんなは庄造を取り合いながら、猫のリリーに強く嫉妬をしている。
リリーにしてみれば、そんな事はどうでも良くて、猫として気ままに日々暮らす。
タイトルの順番が、そのまま力関係を表していると思います。 

英語版では「A Cat, a Man, and Two Women」で出版されています。
この作品は主人にも読んで欲しかったので、英語版も購入しました。

英語版は、表紙のデザインが素敵です。
ただ,表紙の白い猫はリリーとは大分違うイメージですが。
リリーの容姿を表現した一部を抜粋しました。

英吉利人はこう云う毛並みの猫のことを鼈甲猫と云うそうであるが、茶色の全身に鮮明な黒の斑点が行き瓦っていて、つやつやと光っているところは、成る程研いた鼈甲の表面に似ている。(中略)肩の線が日本猫のように怒っていないので、撫で肩の美人を見るような、すっきりとした、イキな感じがするのである。(中略)リリーの顔は丈が短く詰まっていて、ちょうど蛤を倒まにした形の、カッキリとした輪郭の中に、すぐれて大きな美しい金眼(後略)

主人もとても面白かったと言っていたので、何人かの友人にも貸しました。
皆とても良かったと言っていますが、そのうちの何人かが、何故、二人のおんなは庄造の様な人を取り合うのか、その気持ちが分からないとの感想を言ってました。
確かに、庄造はかなりの駄目人間だし、日がな一日猫と遊んでいたいだけの甲斐性なしなので、正論だと思います。

でも、私はこのキャラクターは憎めないというか、猫に愛情を注いでいるだけで、まったく悪意のない所なんかは好きです。
庄造は柔らかい関西弁で話すのですが、その言い回しが何とも力の抜けた感じなのも心地良いです。
英訳版を読んでみましたが、その独特な言い回しが消えてしまっているので、庄造の持ち味が半減している様に感じました。
仕方無い事ですが、とても残念です。

谷崎潤一郎の多くの作品は関西弁で表現されていますが、言葉が本当に美しく、何度も繰り返し読みたくなります。