Wednesday, March 21, 2012

アメリカの保険

アメリカの保険システム、本当に頭が痛いです。
肩の手術をして以来、信じられない量の書類が送られて着る日々。
お医者さんと病院から、桁が間違っている?と思う程の額の請求がされていて、保険会社と頻繁に連絡をし合っている日々。
複雑な保険システム、夜、子供が寝た後に夫婦で書類の整理に追われています。
保険会社は支払いを押さえたい為に、私の怪我で訴訟を起こすかどうかの書類が送られて着たり、(自分で転んだと最初に報告しているのに)本当にうんざり。
子供の学校の間にリハビリ通いで時間に追われている中、こんな事に構っている暇は無い!と思ってしまいます。

現在通っているリハビリの医療負担も、保険で多額はカバーされているとはいえ、私達にとっては頭痛の種です。
アメリカでは病気&怪我にはならない様にしなくては、と思い知らされています。

先日、私のジュエリーを愛用して下さっているお客様から、心温まるメールを頂きました。
ご心配頂きまして、ありがとうございました。
そのメールにて、米国では入っている保険によっては受けられない治療や、必要なのに使えない薬があると、ジョージ・クルーニーの出演していた『ER』を見て知ったとおっしゃっておりましたが、本当にその通りなのです。

良いお医者さんを紹介されても、まず保険が適用されるかどうかを確認しなければなりません。
数年前、うちの旦那さんが通っていたお医者さんに予約した際、予約をした時点ではうちの保険が適用出来たのに、予約日には適用保険の種類が変更され、後日高額の医療費を請求された事があります。
勿論すぐにうちの旦那さんがクレームの電話をしましたが、一向に埒があかない。
しびれを切らして私が直接クレームをつけに行って、結局向こうの連絡ミスとして一切負担無しに持ち込みました。
本当に疲れる。

アメリカでは、保険未加入者が約5,000万人いると言われています。
先進国であるアメリカなのに、最も恥ずべき点だと思います。
保険の無い人は高額の医療費の負担は厳しく、病院へは行けない事も多々あります。

先日、うちの子供が今年9月から通うかもしれない学校に、面接と書類提出に行って来ました。
オフィスで何枚かの書類を記入したのですが、保険の有無を記入する欄がありました。
保険は有りますか?Yes or No。
Yes の人は保険の種類を記入。
No の人は、子供が病気や怪我をした場合、どの様にして処置して欲しいか記入して下さいと書いてあり、正直ゾッとしました。
オフィスの人に、もしも保険未加入の子供が怪我や病気をした場合、学校はどう処置をしているのかを聞いたら、苦笑いされました。
オフィスの人は、この書類は私が作った訳ではないから、、、と。
放置しているのですか?と聞いたら、親に引き取って貰っていると言っていました。
高額の医療費の負担は、親に選択して貰う以外ないと言っていました。
恐ろしい国です。

随分前に観ましたが、マイケル・ムーア監督の『SICKO』は、このアメリカの医療問題をテーマにしたドキュメンタリー映画です。
アメリカの医療問題が、よーく分かります。
マイケル・ムーア監督、どの作品も的を得ていて大好きですが、この映画は自分の日常に関係しているせいもあり、ショックが大きかったです。
カバーに『This may hurts a little』なんて書いてありますが(
マイケル・ムーアの、こういうチャーミングな所が好きです)見終わった後、心が痛くなって涙が溢れました。
とっても痛い内容です。

ちょうど一年前の今日、オバマ大統領の最大の課題のひとつ、
米医療保険制度改革法案が賛成反対がほぼ同数のぎりぎりで可決されました。
可決された際、さすがオバマ大統領!と大喜びしてしましたが、この法案、あれこれと問題が多く、ちょっと手放しで喜べるものではない内容です。
法案が実行されるのは2014年頃。
改革には時間がかかるものだし、風当たりが強い中頑張って下さっているオバマ大統領を批判する気持ちはこれっぽっちもないのですが、問題の根深さを感じました。