Sunday, October 18, 2009

ヤン・シュヴァンクマイエルの 『ALICE』


ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を映画化した、
ヤン・シュヴァンクマイエル (Jan Svanlmajer)の『ALICE
しばらく前に友人から薦められ、やっと今週末に観ました。
まずは、薦めてくれて心からありがとう!

のっけから剥製のウサギのぎくしゃくした動きに心を奪われました。
自然史博物館から飛び出して来た様な生き物、人形、骨、靴下、トランプなどなど、様々なものがぎくしゃくと、でもまるで生きているかの様に動く。
最初から最後迄見入ってしまいました。
アリスが転んで靴下を潰してしまった時、思わずあっと息をのんでしまい、靴下を生き物と思い見入ってしまっていた自分がいた程。

鋏、瓶、鍵等の小道具、机も全て大好きな世界。

剥製のウサギが、破れたお腹の中からこぼれた大鋸屑を、食べて入れ直す。
アリスの頭の上で、唐突に薪を焚いて料理を始めるネズミ。
様々な動物の骨が合わさっている生き物がカクカクと動きまわる。
面白すぎ。

時々この物語を語るアリスの唇が映ると、これは物語なんだという事を思い出すのですが、完全にこのシュールな世界に没頭してしまいました。

アリスが小さくなった時には人形になるのですが、これが姿形が違うただの人形であるはずなのに、アリスそのものに見えました。
だから人形が転んだりすると、小さい子供が転んでしまったかの様にどきっとしてしまう。

ちょっとクリーピーでもあるので、苦手な人もいる作品かもしれませんが、私は何度でも観たくなる作品。
DVDを購入しなくては。