Monday, November 16, 2009

ヤン・シュヴァンクマイエルの 『FAUST』


昨日、友人がヤン・シュヴァンクマイエルの 『FAUST』のDVDを持って来てくれました。

子供がお昼寝をしている間に観たので、うちの旦那さんも参加して、3人で上映会。

ゲーテの戯曲『ファウスト』のモデルにもなった、悪魔メフィストに魂を売ってしまうファウストの伝説。
これをヤン・シュヴァンクマイエルが現代に置き換え、男の人に降り掛かる悪夢の様に表現しています。

木彫りの操り人形達が、まるで魂を持っているかの様に動き人形劇を上映。
反復するには緊張させられます。
観ている間、一瞬でも目を離してはいけない様な強迫観念を感じ、まるで私がメフィストに操られている感じさえしました。
粘土の塊がぐるぐる形を変えて話してくる。
何がリアルで何が幻想なのか、頭の中がぐちゃぐちゃにされてしまう感じです。
時間の感覚も麻痺。

映像の一部がいつか何処かで見た事がある様に感じたのですが、夢の中で見た気がします。
夢の中で怖かった経験が、見事に映像化されている様な感じです。

映画を観終わった後も、何度も反復するメフィストの声が耳から離れず、怖かった、、、
とても怖いけど、クオリティーの高いアニメーションにはぐいぐい引き込まれてしまい、素晴らし過ぎて何度も観たくなってしまう作品でした。

うちの旦那さんも、とても高いクオリティーのアートには見入ってしまうけれど、今迄観た映画の中で一番怖かったと言っていました。
今朝も起きぬけに、まだメフィストの声が耳に残っていると、、、と言っていました。

ホラー映画ではないのにホラー映画よりも怖い、深層心理に響いてくる作品です。
怖すぎるから、子供には絶対に観せてはいけない作品。