Wednesday, November 4, 2009

鉛毒


以前、瀬戸内寂聴さんの短編『いろ』を読みました。

主人公のいろ(恋人)の青年が歌舞伎役者となり名題に昇進するのですが、夢半ばに鉛毒にかかって倒れてしまいます。
なぜ鉛毒にかかったのかは説明されていませんが、もしかして白粉かな?と思って、ネットで調べてみました。
やはり白粉のようです。
昔の歌舞伎役者は白粉が原因で鉛毒にかかってしまい、半身不随等の重い病になってしまう場合も多数あった様です。

ローマ帝国が滅びたのは、鉛毒が原因だったと聞いた事があります。
鉛の配管、陶磁器の鉛の上薬、鉛製のコップなどが原因で、脳障害が多発したそうです。

ベートーヴェンが晩年耳が聞こえなくなったのは、愛飲していたワインに鉛が入っていたのが原因だったのではないかとも言われているそうです。

アメリカは訴訟が多いので弁護士のCMが頻繁に流れていますが、鉛毒の訴訟のCMは多いです。
NYには古い建物が多く、古い鉛の入ったペイントが剥がれ、子供が口に入れてしまい訴訟問題になる事が多いからです。

現在は先進国では規制が厳しいので、鉛の含まれた製品は少なくなったそうですが、安物の輸入玩具類には今でも鉛の入った物は沢山有るそうです。
これらを子供が口にするのは、考えるだけでも恐ろしく、身の回りのものは何にでも神経質になってしまいます。